サピックスとグノーブルの違い
サピックスとグノーブルのシステムは似ていて、塾選びの際に比較して迷う方も多いと思います。たしかに仕組みは似ていますが、細かいところでは色々と違いがあります。
長女がサピックスに通って受験を終え、次女がグノーブルに通う中で気づいた点について、数回に分けて記事にしていきます。
次女がまだ4年生なので、主に4年生の内容です。
また、年度や校舎によって詳細が変わる可能性があります。気になる点はそれぞれの塾にお問い合わせ下さい。
目次:
カリキュラム・授業の違い
サピックスとグノーブルのカリキュラムは似ており、進度はグノーブルがやや速いです。
カリキュラムには以下のような違いがあります。
【算数】
サピックスでは、数→角度→植木算→場合の数と、単元がばらばらに進んでいくのに対し、グノーブルでは図形→角度→長さと面積といったように、ある程度まとまっていることが多いです。
サピックスには「基礎力定着テスト」という授業前テストがありますが、グノーブルにはありません。
【国語】
サピックスの授業では、知識や長文読解の選択肢・抜き出し・記述問題などにバランスよく取り組む。漢字と言葉の小テストあり。
グノーブルの授業では知識の学習に加え、長文読解で記述問題を重視。小テストは漢字のみ。
サピックスとグノーブルの長文読解の授業で同じ文章を扱うことがあります。その場合は同じくらいの時期か、グノーブルの方が少し早く扱うようです。
【理科】
進める順番や単元ごとのまとめ方に多少違いはあるものの、カリキュラムに大きな違いはなさそうです。
【社会】
サピックスでは4年生から5年生の夏にかけて地理を学び、5年生の秋から6年生の春まで歴史を学びます。6年生の5~7月ごろに公民を学び、夏期講習から総復習と演習。
グノーブルでは4年生で地理を、5年生で歴史を学びます。6年生の初めから公民に入り、4月から総復習と演習を行います。
グノーブルの方が進度が速く、地理を学ぶ期間が短く、歴史を学ぶ期間が長いです。
【クラスの人数と通塾日数】
サピックスもグノーブルも少人数制ですが、グノーブルの方がさらに少人数になることが多いようです。1クラス15~20人程度のサピックスに対して、グノーブルは15人まで。校舎やクラスによっては、クラスの人数が一桁ということもあります。
そして、5年生の通塾日数が違います。サピックスは5年生になると週3日通塾しますが、グノーブルは5年生になっても週2日しか通塾日がありません。
【理系・文系のクラス編成】
サピックスでは4科目合計のテスト結果でコースが決まります。
グノーブルでは理系と文系科目別にクラス編成をしています。
成績が理系あるいは文系にかたよる傾向がある子の場合、理系・文系でクラスが分かれているのはプラスです。
国語が得意な長女は、サピックスでコースが上がると、算数のレベルが上がって苦労していました。
次女は算数の方が得意ですが、国社を無理のないクラスで受けられているようです。
ただ、サピックスはグノーブルと比べてコース数が多い校舎が多いので、コース内での生徒の実力差は大きくなりにくいだろうと思います。
4年生のテキストの違い
サピックスもグノーブルも、基本的にテキストはプリントがホチキス留めされたもので、毎回の授業で配布されます。予習ができないようになっています。
【算数】
4年生の算数のテキストは、2社とも新しい単元を学ぶテキスト、前回の授業の復習をするテキスト、家庭学習用テキストの3つに分かれています。
違いの一つはサイズで、サピックスはものによってB5・B4サイズ、グノーブルはどれもB4サイズです。
どちらも使いにくいということはなさそうです。
内容は似ていますが、グノーブルの方が若干、応用問題が登場するタイミングが早いです。
例えば、グノーブルでは新4年生2月の平面図形のテキスト(初めて角と角度を扱うテキスト)に図形の折り返し問題が登場します。サピックスでは、平面図形の学習がもう少し進んでから折り返し問題を扱います。
ただし、グノーブルでも応用問題をどんどん解かせているのではなく、まずは基本問題がしっかり解けるように指導しています。クラスによっては応用問題自体、扱いません。挑戦できる子が早い段階で応用問題にふれられるとお考え下さい。
また、サピックスのテキストは導入部分が丁寧で、数値替え問題や類題が豊富です。そのせいか、解答のみで解説がない問題も多いです。解説がなくて解けない場合は、過去のテキストから似た問題を探します。
グノーブルはサピックスと比べると問題数は少なめですが、ほとんどの問題に解説がついています。
【国語】
サピックスはテキストがAとBの2冊に分かれています。グノーブルでは1冊にまとめられています(長文読解の文章は別にホチキス留めされていますが)。
グノーブルの国語の特徴は長文読解の記述問題を重視していることで、テキストにも記述用の欄がしっかり取られています。
長文読解の文章と問題の難易度はグノーブルが少し上だと思います。
サピックスには「言葉ナビ」という慣用句や熟語などをまとめた問題集がありますが、グノーブルにはありません。グノーブルでも毎週配られるテキストで言葉を学びますが、漢字以外の知識の小テストがなく、学習方法によっては知識が手薄になる可能性があります。
【理科】
理科のテキストの構成は似ていますが、サピックスのものはボリュームがあります。
グノーブルのテキストではその週の単元のみ扱いますが、サピックスでは季節の図鑑を通して毎週少しずつ花や生き物などの知識にふれ、デイリーステップで前回の単元の復習、その週の単元の復習、季節の図鑑の復習ができるようになっています。
長女にはボリュームがありすぎて解けきれませんでしたが、しっかりできれば力になると思います。
【社会】
社会のテキストはよく似ています。表紙には写真がたくさん載っていて、表紙の裏に特集記事があり、本文があり、問題が続きます。
サピックスでは毎週のテーマにそって複数の地域について学びますが、グノーブルのテキストは毎回1都道府県または世界地理+その週の特集という構成になっています。